For the Record.

書き綴る.

読んだ本「 ジョン・ボルトン回顧録 トランプ大統領との453日」

トランプ政権で国家安全保障担当大統領補佐官を務めた、超タカ派のジョン・ボルトン氏の回顧録ボルトン氏の仕事柄、トランプ政権の国際外交の殆どに関わっていたため、各国首脳との交渉舞台裏は充実しており最後まで興味深く読んだ。金正恩プーチンといった各国指導者の描写やトランプとのやり取り、案件の管轄を巡るホワイトハウス内の対立、マティス国防長官、ポンペオ国務長官やケリー大統領主席補佐官との友情と確執。国際政治には多くのドラマがある。

トランプは自らの直感と、外国首脳との個人的な人間関係、そして何よりテレビ向けに築き上げたショーマンシップだけに頼って、行政府を運営したり国家の安全保障政策を策定したりできると信じていた。

ジョン・ボルトン; 梅原季哉; 関根光宏; 三宅康雄. ジョン・ボルトン回顧録 トランプ大統領との453日 (Kindle の位置No.91-93). 朝日新聞出版. Kindle 版.

 トランプ政権の初期の暴露本では、トランプ元大統領が注意力散漫でまるで幼稚園児だと表現していたが、この本でも「徹底かつ一貫して」注意力散漫であるトランプ元大統領が描写されていてそのカオスぶりに驚いた。個人的に表現するなら、トランプ元大統領は地方都市の土着の不動産屋のオーナー社長といった印象を受けた。こういう人物でも大統領になれてしまうという米国民主主義の懐の広さと、危うさを感じた。